美しさ。
クリスマスが終わると、瞬く間に新年の用意。
きらびやかな華やかさから、凛とした潔い美しさに景色が変ります。
家に飾られる門松の潔さ。
美しさって、千差万別。
きらびやかで、盛り沢山な華やかさも良いですが、
潔い美しさに惹かれます。
年末に久しぶりに立ち寄った美術書屋さんで、
思わぬ出会いが出来た写真集。
写真家 上田義彦さんの ” 1986 ”
モノクロで、ひとりのモデルさんを撮影しているその写真集は、
季節ごとに項目が分かれている以外、
特に説明もなくモデルさんの上半身や顔など、
ただそれだけが写っています。
真っすぐにレンズを見つめる物憂げなモデルさんの美しい表情、
そのなかに平田先生の帽子を被った写真がいくつか入っています。
平田先生の作品を写している写真の中で、大好きな作品のひとつ。
年末にこの写真集に出会えるなんて。
潔さ。
この写真に写るモデルさんのシンプルな美しさと、
平田先生のすっきりとした帽子のラインの美しさ。
ミニマムって、冷たい印象を持たれがちだけど、
それとはちがう、手作業で作られ、人が人を写すってことで、
冷たさ、退屈さなんてなくて、むしろ人肌を感じる作品。
平田先生の帽子は、モノクロの写真だとより美しさが際立つな、
そんなことを思いながらまたページをめくる嬉しさ。
と、そんなこと思っていると、音楽も色々な楽器が盛り沢山な
のも好きだけど、シンプルな構成のバンドの音がやっぱり好き。
人力でやるものは、ちょっとしたずれや、
その場の雰囲気で微妙に変っていくような演奏。
作り込み過ぎない勇気って、意外に持てないものです。
年の初めにそんな音楽聴きたいような、
自分の帽子も潔い美しさを表現したいなーと思ったり。
年の初めは、色々思うものです。
本年もよろしくお願い致します。